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韓国における自由刑

はじめに
 韓国においては、死刑が存在し、自由刑には、無期のものと有期のものとがある。本稿では、韓国の自由刑について簡単に概説していく。

韓国における自由刑
 韓国においては、有期の自由刑は、有期懲役と有期禁錮が、無期の自由刑は、無期懲役と無期禁錮が法定されている。
 有期自由刑の期間は、1月以上15年以下であるが、加重するときは25年に至ることができる。無期の自由刑については、それ自体は、一生の期間にわたる自由刑を意味し、単に刑期の上限を決めていない絶対的不定刑期(絶対的不定期刑)を意味するものではない。ただし、わが国と同様、無期の自由刑に処せられた者についても、仮釈放(刑期途中における条件付釈放)によって出獄できる余地が認められているため、韓国における無期自由刑は、絶対的無期刑(life imprisonment without parole)をも意味しない。

宣告猶予制度・執行猶予制度
 韓国においては、刑の執行猶予制度のほか、刑の宣告猶予制度がある。
 刑の宣告猶予制度とは、刑の宣告自体を猶予する制度であり、1年以下の懲役若しくは禁錮、資格停止又は罰金の刑を宣告する場合において、諸事項を参酌して改悛の情状が顕著なときに適用される。
 刑の執行猶予制度は、刑の執行を一定期間猶予し、その期間を無事に経過すれば刑を科さないこととする制度であり、3年以下の懲役又は禁錮の刑を宣告する場合において、第51条の事項を斟酌してその情状に斟酌すべき事由があるときに適用される。その期間は1年以上5年以下である。

仮釈放制度
 韓国刑法における仮釈放の条件期間は、わが国の現行法制におけるそれと同様である。すなわち、有期の自由刑については、刑期の3分の1の経過、無期の自由刑については、10年の経過により、仮釈放により出獄できる可能性が認められている。仮釈放の期間については、有期の自由刑においては、基本的に残刑期間主義を採るが、その期間は、10年を超えることができないと規定されている。無期の自由刑については、考試期間主義が採られており、その期間は10年である。
 ところで、無期の自由刑について、その仮釈放者の在所期間を見ると、2003年までのところ、例年、大多数が16年以上20年未満で仮釈放を許されており、仮釈放者のうち、在所期間が20年を超える者は非常に少なく、未仮釈放者について見ても、25年以上在所している者は存在しない。
 下表は、韓国における1994年から2003年までの10年間における無期刑仮釈放者の在所期間について見たものである。

無期刑仮釈放者の在所期間(韓国)
総数16年

17年

18年

19年

20年

20年

1994年7151   
1995年 12 54111
1996年 12 462  
1997年13 2443 
1998年81113 2
1999年1635521 
2000年712 3 1
2001年0      
2002年7  1 24
2003年0       
合計82624221578
出典:韓国矯正統計

死刑廃止論
  韓国においては、一部の法律家や政治家の間で、根強い死刑廃止論が存在する。このこともあり、1997年に死刑が執行されて以来、死刑の執行は行われていない状況にあるが、犯罪情勢や、世論の比較的多数が死刑制度存置を望んでいることなどから、死刑廃止が現実に実施されるような状況にまでは至っていない。
 15年乃至30年間は仮釈放の可能性のない無期刑や、生涯仮釈放の可能性のない無期刑(絶対的無期刑)などが、死刑に代わるものとして主張されている。

[参考URL]
1.韓国刑法典(原文)
2.韓国刑法典(日本語)

後注
準備中