残刑期間主義と考試期間主義
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残刑期間主義と考試期間主義
 仮釈放(parole)とは、刑務所に収容されている者を、刑期途中で仮に釈放する制度である。ただし、仮釈放は刑の執行の終了を意味せず、仮釈放中の者は、保護観察に付されることとなっており、場合によっては仮釈放が取り消されることもある(刑法29条)。

 仮釈放の期間には、残刑期間主義と考試期間主義があり、残刑期間主義とは、仮釈放の期間を残りの刑の期間とし、その期間保護観察に付すというものであり、考試期間主義とは、残刑期間とは別の一定期間を仮釈放の期間とし、その期間の満了をもって保護観察を終了させるというものである。

 わが国では、残刑期間主義が採られており、恩赦法8条による刑の執行免除がない限り、仮釈放期間は、有期刑の場合は、満期の日まで、無期刑の場合は、残刑もまた無期であるから、一生である

 諸外国の例を見てみると、仮釈放期間は国によって異なり、イギリスやカナダなどでは残刑期間主義が採られている。

 一方、ドイツやフランス、オーストリア、ルーマニアなどでは残刑期間主義ではなく考試期間主義が採られており、無期刑の仮釈放者については、ドイツでは5年、フランスでは最大10年、オーストリア・ルーマニアでは10年を無事に過ごせば、保護観察を終了させることとしている。ただし、日本においても少年のとき刑の言渡しを受けた者については、考試期間主義が採られており、無期刑の場合は、仮釈放を許された後、それが取り消されずに10年を無事に経過すれば保護観察を終了させることとしている(少年法59条)。参考(*)
(*)9頁「2(イ)」を参照のこと
参考文献:森下忠「刑事政策大綱 新版第2版」(成文堂)
上記文献の該当箇所の画像はこちらを参照